公開講座レポート

サプリメントで健康被害~食品安全委員会が注意を呼びかけています~

「天然だから安全」「サプリで元気に長生き」「薬じゃないから、いくら食べても大丈夫」――これらはみんなウソです。健康に役立つとうたう「健康食品」が、たくさん売られています。けれど実際には、健康食品で健康被害が出ることもあります。健康食品で健康…

非婚ですが、それが何か?

男20.1%、女10.6%――これは日本の生涯未婚率の割合。日本では、一生結婚しない人が増え続けている。その結果、出生率は低下し続けている。50年前の1960年代は、ほぼ全員が結婚していた。日本はわずか一世代で晩婚・非婚社会に変わったのだ。出産適齢期の男…

誰に向かって、今なぜ、この記事を書くのか?

「大阪社会部記者はこうしてアフロになりそして次を目指す~次世代の報道実務と現場~」という講演タイトルを目にしたとき、その人の顔がすぐに頭に浮かんだ。稲垣えみ子氏。「アフロヘアの朝日新聞編集委員」と言えばピンとくる人は多いだろう。私は稲垣氏…

いじめ問題を考える(後編)

いじめ防止の主体は子どもでなければ効果がない 日本で銃犯罪が少ないのは、銃が出回る環境にないからだ。いじめも同じように「いじめが起きにくい環境」をつくることができれば減らせるはず。そう語るのは、足立区立辰沼小学校の仲野繁校長。実際、自校で「…

いじめ問題を考える(前編)~尾木ママ登場@法政大学~

尾木ママこと尾木直樹氏は、法政大学の教授で臨床教育学の専門家。その尾木ママがいじめについて語るというので、法政大学のシンポジウムに行ってきた。シンポジウムのタイトルは「いじめ問題を考える2~予防のための教育のあり方~」。尾木ママほか2名の演…

単一の思考で世界を覆わないために~文学とジャーナリズムのまなざし~

文学=フィクション、ジャーナリズム=ノンフィクションなのか?今回は、明治大学人文科学研究所が開催した講座「文学と読書の現在」より、平尾隆弘氏(前文藝春秋社社長)が語った文学とジャーナリズムの違いと共通性についてレポートします。 サリン事件の…

長寿革命で高齢社会を乗り越えろ!

超高齢化が進む日本で、安定した社会をつくるためには、どんな政策が必要なのだろう? 今回は、長寿社会の政策課題と可能性について、慶應義塾大学の駒村康平氏(経済学部教授)による講演のレポートです。 平均寿命と平均余命のちがい まずは現状、日本人は…

源氏物語をいま読むことの意義ってナニ?

人文社会学部は不要です、と、国から宣告された国立大。これに真っ向勝負を挑むかのように、東大は「源氏物語を今日読むことの意義を論じあいます」と事前告知を打って座談会を開催した。そのタイトルは「2015年の源氏物語」。なかなか骨があるじゃないか、…

偽りの記憶~宇宙人に誘拐されたの、覚えてる?~

私は宇宙人に誘拐されたことがあるとか、前世の記憶があるとか、びっくりするような経験を語る人がいる。彼らはウソをついているのではない。かといって、本当の話をしているわけでもない(だろう)。彼らは、そういう経験をただ「記憶」しているだけなのだ…

教養って必要ですか?

「教養って学んで身につくものなの?」「理系の学生にも教養科目って必要なの?」「そもそも教養って何?」そんな学生の率直な疑問に、教養科目を教える側の教授が答えるというガチンコ勝負のシンポジウムが東京工業大学で開催された。タイトルは「進化する…

平和とは何か?~平和学で読み解く3.11という暴力~

「平和とは何か?」と聞かれたら、あなたならどう答えるだろう?「平和は戦争の反対だから、戦争がない状態のこと」と思ったあなた(私も)。残念でした。これ、平和学という学問の世界では不正解。正解は「暴力の不在」。 ――こんな話で始まったのは、立教大…

英語教育は必要か?

「英語教育は必要か?」と、中学生に聞かれたら、あなたならどう答えるだろう?水産業が盛んな岩手県の町に住む中学生が、特別授業で取りあげるテーマとして、これを提案したそうだ。 その子いわく、将来も地元で暮らすつもりだから、英語なんて一生使わない…