生きる力は学べるか?(後編)

教室

アカデミックより、実用のほうが好き

A:社会人になってから勉強にお金を使うと、その何倍にもなって返ってくる感じがする。

――社会人になってからのほうが勉強したくなるよね。なんでだろうね?

A:勉強したくなるのは、仕事に関連することだね。関連することじゃないと、私はおもしろくない。法学部のとき、法哲学なんて全然おもしろくなかったからね。自分に直結しないから。

私はアカデミックなことより、実利のほうが好きだな。今は読み聞かせの講座に通ってるけど、おもしろいよ。育児してるから。これも子どもを産む前だったらおもしろいって思わなかったと思う。

続きを読む

生きる力は学べるか?(前編)

卒業

生きる力があるなぁ、と思う友達がいる。

家を買いに行ったら、不動産屋さんに「うちで働きませんか?」と言われて働きはじめたり、お客さんとして行った会社で、社長と話が盛り上がって働くことになったり。

彼女には不景気なときでも仕事のほうから寄ってくる。しかも、仕事をすれば成績トップ。でもバリバリな雰囲気はゼロ。恋愛も子育ても楽しんでいる。

彼女の「生きる力」はいったいどこからくるのだろう? 学びと関係があるかもしれないと思って、聞いてきました。

続きを読む

偽りの記憶~宇宙人に誘拐されたの、覚えてる?~

宇宙人

私は宇宙人に誘拐されたことがあるとか、前世の記憶があるとか、びっくりするような経験を語る人がいる。彼らはウソをついているのではない。かといって、本当の話をしているわけでもない(だろう)。

彼らは、そういう経験をただ「記憶」しているだけなのだ。
なぜ、そんなありえないことを「記憶」できるのか?

今回のレポートは、法政大学文学部心理学科の越智啓太(おち・けいた)教授の講演です。

続きを読む

読み書きそろばんができない大学生のための『大学破綻』

大学破綻  合併、身売り、倒産の内幕 (角川oneテーマ21)

大学だってビジネスだ。経営破綻すれば、消えてなくなる。そんなことになったら大学は大変だけど、学生はもっと大変だ。

『大学破綻 合併、身売り、倒産の内幕』 に書かれているのは、そんな悲劇が起きないようにするための大学改革論。

著者の諸星裕氏は、大学の経営・運営のプロを育てている大学教授。いわばプロのプロ。だからこの本は、大学改革を行う側の視点から書かれている。けれどこれが意外にも、大学選びに失敗したくない受験生にも役立つ内容になっている。

続きを読む

眉間にシワのよらない大学論『大学の話をしましょうか』

大学の話をしましょうか 最高学府のデバイスとポテンシャル (中公新書ラクレ)

ミステリ作家と工学博士という二足のわらじを履く森博嗣(もり・ひろし)氏。

その著書『大学の話をしましょうか 最高学府のデバイスとポテンシャル』 は、元国立大学工学部の助教授でもある氏が、「学生」「大学」「自分」についてインタビュー形式のQ&Aで語るという、よく言えばシンプルな、悪く言えば単調な本。

でもこれが意外とおもしろい。

続きを読む