学問楽(ガクモンガク)

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斎藤美奈子の『文庫解説ワンダーランド』は、返り血を浴びるプロ論だ

斎藤美奈子といえば、泣く子も黙る文芸評論家だ。どんな文豪や学者の本であっても、バッサバッサと斬りまくる。特に相手が権力者となると容赦ない。批評される側はたまったもんじゃないだろうけれど、読む側はおもしろいんだ、これが。

文庫解説ワンダーランド (岩波新書)
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哲学者、萱野稔人が排外主義の真相を解く『成長なき時代のナショナリズム』

「中国の台頭によって、日本は右傾化している」――ワシントンポストがそう指摘したのは2012年9月。今やヘイトスピーチやネット右翼、在特会などといった言葉が専門用語ではなく、誰もが知っている単語になった。それほど日本では、ナショナリズムが高まっていると言える。

これに対してリベラル派は「ナショナリズムはよくない」と批判する。しかし、その批判は的外れだと『成長なき時代のナショナリズム』の著者、萱野稔人は言う。理由は2つ。

成長なき時代のナショナリズム (角川新書)
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「福島の子どもガン多発報道」びびる前にデータを冷静に見ませんか?

福島の子どもに甲状腺がんが多発しているという報道がありました。その根拠となるデータは何なのでしょうか? そして、そのデータの読み方は正しいのでしょうか?

放射線の専門家でない私たちは、知識を一から学んでその正誤を判断する、などといったことはできません。そもそも何かコトが起きるたびに、専門知識を身につけるなんて不可能です。

だとしたら私たちにできるのは、情報が信頼できるものかどうか冷静に考えたうえで、合理的な判断をくだすことではないでしょうか。

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反知性主義者は知識が豊富~『日本の反知性主義』書評~

最近、「反知性主義」という言葉をよく耳にする。彼らにはどういう特徴があるのか、台頭してきた理由はなにか。本書『日本の反知性主義』は、日本の「反知性主義」の特徴と、その登場要因を分析した論考集だ。

知識人こそ、反知性主義者になりうる

反知性主義者は知識に欠けるわけではない。むしろ知識が豊富であることが多い。知識人だからといって、知性があることにはならないのだ。それどころか知識人こそが、しばしば最悪の反知性主義者になりうる。

それはなぜか?

日本の反知性主義 (犀の教室)
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